一式見積もりはなぜ危険か。内訳が消える瞬間に過剰請求が紛れる
建設工事の見積もりで最も注意すべきは「一式見積もり」です。この見積方式では、具体的な内訳が記載されず、工事費が総額で示されるだけ。一見シンプルに見えますが、実はここに過剰請求が紛れ込む最大の危険が隠れています。
一式見積もりで内訳が消える理由
例えば、外壁塗装工事で「一式 850万円」と記載されている場合を考えてみてください。この中には、足場代、高圧洗浄、下地処理、塗料代、人件費など多くの項目が含まれていますが、それぞれがいくらなのか全く見えません。発注者は総額しか判断できないため、適正価格かどうかの検証が極めて困難になります。
実際の事例では、同じ外壁塗装工事でも「一式 850万円」と「詳細内訳で680万円」という差が生じることは珍しくありません。その差は170万円。この差額の大半は、内訳がないことに乗じた過剰請求なのです。
過剰請求が紛れ込む具体的なパターン
一式見積もりでよくある過剰請求パターンを3つ紹介します。第一に、塗料の グレードを偽ること。低グレード塗料の価格で高グレード塗料の名目を立てる手法です。第二に、施工面積を水増しすること。実際より30平米多く計上する業者も存在します。第三に、不要な工程を追加すること。本来不要な補強工事を加えて費用を膨らませます。
建設費診断の経験から言えば、一式見積もりを提出する業者の約40パーセントが、詳細内訳を求められると当初見積もりを15パーセント以上減額します。これは明らかに最初から過剰に見積もっていた証拠です。
発注者ができる防衛策
絶対に避けるべきは「一式見積もりで発注すること」です。必ず詳細な内訳書を要求してください。項目ごとに数量、単価、金額が明記されている見積もりだけが、適正価格の判断材料になります。複数業者から詳細内訳書を取得し、項目ごとに比較することで、隠れた過剰請求を発見できます。
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